成年後見制度では後見人等に代理権や同意権、取消権が与えられます。このことで、「本人の人生が完全にコントロールされてしまう」と思われている方もおられますが、そうではありません。ご本人が望んでおられることをいかに実現するかを検討し、ご本人に代わって福祉サービス等を手配するなどが後見人等の役目になります。要するにご本人の権利を侵害しているのではなく、権利を護っている実践者なのです。
何らかの障害をお持ちの方々であっても、通常の人と同じように地域生活に参加する権利は当然にあります。その考え方を「ノーマライゼーション」といいます。
後見人等はノーマライゼーションの実現を胸に支援活動をしていくのです。後見人等はお年寄りや障害をお持ちの方たちの生活の質を尊重し支援をしているのです。
「自己決定」が尊重されなければならないという考え方が広がりつつある一方で、お年寄りや障害者の方たちに対する虐待の報告も多くあります。そんな中、2005年に「高齢者虐待防止法」が成立いたしました。この中で高齢者虐待とは、身体的虐待(たたく、縛るなど)、介護や世話の放棄(ネグレクトといいます)、心理的虐待(言葉による暴力)、性的虐待(裸で放置する、性行為の強要など)、経済的虐待(本人の財産を渡さない、勝手に使用するなど)が定義されました。
この高齢者虐待防止法の中で成年後見制度の利用促進が述べられており、高齢者虐待の予防、虐待後の対処のための制度に位置付けられています。